2006年03月25日

ヴェスター総集編〜もう一つの総集編

 ラルフ、ニーナ、ガルックがスペースコロニー・キルアに戻る少し前、そう、ラルフ達がガイガードか地球にいた頃、太陽系から約1000光年離れたウィクス星系で、一つの戦争が起こっていた。
 惑星ウィクス周辺には、ウィクスの主力宇宙艦隊が集結していた。
 ウィクス人は、地球人と同じヒューマノイドタイプの宇宙人で、皮膚の色が緑で、しっぽが生えていることを除けば、ほとんど地球人と区別がつかない。
 ウィクスの文明は、地球よりも長い文明を築いてきたが、長い歴史を通して、初めて外の文明からの攻撃の脅威に脅えていた。

「艦隊から方位YZ2314、距離1光秒の空域に、重力異常を確認!!!」
 その時、兵士の悲痛な叫び声が、艦橋に響き渡る。
「重力異常・・・何者かが、ワープアウトしてくるな。全艦、重力異常の発生箇所に向かって発進だ。」
「ハッ!」
 ザルミードの号令により、ウィクス全艦隊が重力異常の発生箇所へと向かう。

 その時・・・
「ワームホールが開きました。」
「全艦攻撃準備だ。」
 重力異常の発生した場所に、巨大なワームホールが出現すると、中から巨大な要塞が飛び出して来た。
 その要塞は、直径200キロもある球形の要塞で、その大きさにウィクス艦隊の乗組員は圧倒される。
「あれが・・・噂のヴェスターか・・・」
 ザルミードは、ヴェスターの存在を知っていたが、それでもその迫力に圧倒された。

 超人類の超巨大要塞ヴェスターは、ウィクス星近くにワープアウトすると、大艦隊を出撃させてきた。
 ウィクス艦隊は、懸命に戦ったが、地球艦隊の主砲の射程距離は、ウィクス艦隊の主砲の倍以上もあり、ウィクス艦隊は苦戦していた。

 次々と被弾し、やられていくウィクス艦隊。
 ザルミードは、後方の空母艦隊に指令を出す。
「全空母から小型戦闘機を発進させて、敵艦隊を攪乱するのだ。
 戦闘機が攪乱している間に、我々は何とか射程距離圏内に近づき、敵艦隊を撃滅する。」
 ザルミードの命令で、空母から大量の小型戦闘機が出撃すると、地球艦隊に向かって行く。
 地球艦隊は、敵戦闘機を撃墜しようとするが、なかなか命中しない。
「敵艦隊との距離10000キロ。射程距離圏まであと2000キロ。」
「ようし、予想通り敵艦隊は、艦載機にとらわれている。今のうちに進撃するんだ。」
 ウィクス艦隊は、ヴェスターへの進撃を早めた。

 ウィクス艦隊は、小型戦闘機を出撃させ、地球艦隊を撹乱しながら、何とか射程距離まで近づくという作戦を取った。
 これは、最初は成功した。だが・・・

 ヴェスターの皇帝アーリアは、兵士の報告を聞くと、ニヤッと笑う。
「ようし、各戦艦に乗り込んでいるヴェクト・アーマー部隊を出撃させて、まずはハエのようにウザイ小型戦闘機を全滅させろ。
 ヴェクト・アーマー部隊は、そのまま敵艦隊の群れを通り抜けて、惑星ウィクスに降下しろ。」

 この命令で、各戦艦からヴェクト・アーマー部隊が出撃してくると、状況は一変する。
 小型戦闘機は、ヴェルガント率いるヴェクト・アーマー部隊に一隻残らず撃墜され、ヴェクト・アーマー部隊はそのまま惑星ウィクスに向かい始める。
 そのことに気づいた艦隊司令ザルミードは、ヴェクト・アーマーを追おうとするが、その時、両サイドから地球艦隊の攻撃を受けると、次々とウィクス艦隊は壊滅していく。
 ザルミードは、一か八か、ヴェスターへの突撃を試みようとするが、その時、ヴェスター前方に地球艦隊がいないことに気づく。

「ちょっと待て、なぜヴェスターの前に地球艦隊がいなくなってるんだ?」
 ザルミードは、いつの間にかヴェスターの前を護衛していた地球艦隊がいなくなっていることに気づき、ヴェスターをスクリーンに映させる。
 ヴェスターの中心にあるヴェスター・ノヴァの発射口がいつの間にか開いていることに、ようやく気がつく。
「ぜ、全艦、この空域から離脱せよ。急げ!!!」
 ザルミードは慌てて命令を出した。

「クックック・・・ようやく気がついたか。でも、もう手遅れだ。」
 皇帝アーリアは、慌てて方向変換しようとしている戦艦を笑いながら見ていた。
「よし、ヴェスター・ノヴァ発射!!!」
 皇帝アーリアが命じると、ヴェスターの中心から強烈なエネルギー砲が発射された。
 巨大な光のエネルギーが、宇宙空間を突き進むと、あっという間に、その巨大な光の中にウィクス艦隊を飲み込んだ。

「巨大エネルギー高速接近!!!間にあわ・・・」
「ぎゃあああああああ・・・!!!」

 ヴェスター・ノヴァと呼ばれるこのエネルギー砲は、前方にいたウィクス艦隊を捕らえると、全艦隊を粉々に吹き飛ばした。
 ウィクスの艦隊を吹き飛ばしたヴェスター・ノヴァは、勢いをそのままに、後方にあったウィクスの衛星ブラトーに直撃すると、衛星ブラトーは大爆発し、宇宙の藻屑と消えた。

 こうして、ウィクス艦隊は全滅し、さらに、惑星ウィクスには、ヴェルガント率いるヴェクト・アーマー部隊が降下すると、首都テラガスタに向かい始める。
 ウィクス軍は、戦闘機部隊を派遣するが・・・

「南西約20kmに、ヴェクトアーマー部隊発見!!!」
「第1部隊、第2部隊、ミサイル発射用意!!!」
 第1部隊と第2部隊がミサイルを発射するが、ヴェルガントが必殺技マキシム・ボムを放つと、無数の闘気の光弾がミサイルに命中すると、ミサイルはヴェクト・アーマー部隊に届く前に、全て爆破された。

 ヴェクトアーマーの一人が、ミサイルが全て爆破されたのを確認すると、自分の魔法チャネルに紋章を書き込み、魔法を唱えた。
「ジェコバ!!!」
 魔法ジェコバを唱えると、第1、第2戦闘機部隊の目の前に、それぞれ巨大な竜巻を発生させた。
「きょ、巨大竜巻出現、か、回避できません・・うわぁぁぁぁ・・・」
 竜巻はウィクスの戦闘機を巻き込むと、次々と爆破していった。

 ヴェクト・アーマーの強さは圧倒的だった。
 ヴェルガントは、ウィクス軍に降伏を勧めるが、ウィクス軍はなかなか承諾しない。
 だが・・・

「フッ、この技を使うのは何年ぶりだろうな。アスタリア。」
 ヴェルガントはそうつぶやくと、ヴェクトソードに闘気を集中させた。
「ハアアアアア!!!」
 凄まじい闘気が集まると、ヴェクトソードは巨大なドラゴンに姿を変えた。
 そのドラゴンの大きさと凄まじさに、味方のヴェクトアーマー部隊達ですらも息を呑んだ。

「ドラゴン・ブラスター!!!」
 ヴェルガントがヴェクト・ソードを一気に振り下ろすと、巨大なドラゴンはものすごい速度で突き進み、首都テラガスタの後方にある山に直撃した。

 ズドォーーン!!!!

 最初に凄まじい大爆発が起こると、次に首都テラガスタに地震が襲いかかる。
「こ、後方の山が、敵ヴェクトアーマーによって攻撃されました。この地震はその衝撃によるものです。」
「クッ、何という破壊力だ。」
「先程の攻撃による地震の震度7を記録しました。テラガスタのあちこちで被害が出ています。」
「し、司令!!!」
 その時、兵士の一人が驚くような声をあげた。
「どうした。」
 司令は兵士の指差す方を見て、絶句した。
「山が・・・山がなくなっている・・・」

 このヴェルガントの一撃と、ヴェスター・ノヴァの破壊力を見せつけられたウィクス軍は、ついに降伏する。
 だが、超人類の目的では、この星に豊富にあるガイアナイトの採掘が目的であって、ウィクスの支配が目的ではなかった。
 それから、ウィクス人達は、全員奴隷として、ガイアナイトの採掘を毎日行わされた。
 ガイアナイトさえ採掘すれば、ウィクスを解放するというヴェルガントの言葉を信じ、ウィクス人達は、毎日ガイアナイトの採掘に勤しんだ。
 そして、全てのガイアナイトが採掘されると、ヴェルガントは約束通り、全員を解放した。
 あとは、採掘を終えた作業船団を収容して、ヴェスターが、早くこの空域から去ってくれるのを、ウィクス人達は祈るばかりだったが・・・

「フハハハハ、ウィクス人達よ。そのような荒れ果てた星で生きて行くのは辛かろう。
 余がお前達に永遠の安息を与えてやろう。」
 ヴェスターの中央にある巨大な発射口が開く。
「ヴェスター・ノヴァ連続発射!!!」

ズドォォォーン!!! ズドォォォーン!!! ズドォォォーン!!!

 アーリアの号令と共に、口径数キロもあるヴェスター・ノヴァ発射口から、惑星ウィクス目がけて、ヴェスター・ノヴァが連続発射される。
 ヴェスター・ノヴァは全弾命中すると、惑星ウィクスのあちこちで大爆発が起こり、炎に包まれていく。
 そして、やがて、ウィクス全体が炎に包まれると、次の瞬間、惑星ウィクスは大爆発を起こした。
 惑星ウィクスは、宇宙から消滅した。
 ヴェルガントは、その様子を、スクリーンを通して、無表情で見つめていた。

 惑星ウィクスを破壊した後、次の目的地であるクレザート星系に向かうべく、ヴェスターはワームホールに入ると、しばらく宇宙空間から姿を消した。
 だが、その惑星ウィクスが破壊されるのを見ていた者がいた。
 それは、ウィクス軍が銀河系中心方面に送っていた大艦隊だった。
「間に・・・合わなかったか・・・なんて、むごいことを・・・」
 艦隊指令のジェルギーガは、ウィクスの爆発を目の辺りにして、あまりの悔しさに血の涙を流していた。
「奴ら、確か、地球の艦隊だったな。」
「ハッ!!」
「許さん、絶対に許さんぞ。地球人は皆殺しにしてやる!!!
 そうすれば、ヴェスターは必ず地球に戻るはずだ。
 そして、そこでヴェスターも叩き潰してやる。
 全艦ワープ用意、目標は地球だ!!!」
 ジェルギーガの号令が飛ぶと、全ウィクス艦隊から、ワームホールエネルギーが発射される。
 やがて巨大なワームホールが開くと、ウィクスの残存艦隊は、その中へ飛び込み、彼らもしばし宇宙空間から姿を消した。

 その後、クレザート星系にたどり着いたヴェスターであったが、ウィクスよりも、はるかに技術の進んだクレザート星の猛攻に、地球艦隊は、苦戦を強いられていた。
 その頃、地球に時空干渉装置で修練の谷にアクセスし、ラルフにヴェクト・アーマーを教えていたゾルドは、時空干渉を解くと、ヴェスターの中央研究所に戻ってきた。
 戻ってきたゾルドの元に、兵士がやって来る。
「ヴェルガント様、どこに行ってらっしゃったんですか?皇帝アーリア様が、お怒りですぞ。」
「わかった、至急、中央帝都に向かう。」
 ヴェルガントは、そう言うと、戦闘機に乗り込み、中央帝都へと向かった。
 ヴェルガントがなぜ、時空干渉をしてまで、ラルフにヴェクト・ソードを教えようとしたのか?
 歴史は、再び激しく動き始めようとしていた・・・


ヴェスター総集編〜もう一つの総集編(完)


あとがき
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2006年03月21日

総集編を書き終えて、ホッと一息

やっと、3人分の総集編が終わりました。
総集編を書きながら、これだけの量の文章をよく書いたなあと、少し自分に感心してしまいました。
そして、気がつけば、100話まで、あと少しというところに・・・

いやあ、もう本当に読者の皆さんには感謝しています。
これからも、100話突破(はもうほぼ確定)、そして、できれば200話まで目指して、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

あと、先日、久しぶりにメルマガランキングの方を見たのですが、何だかエライことになってますね。(1位って・・・)
正直言って、とても驚いています。
ただ、ニコラスさんの方は、私がリンクの仕方を間違っていて、ホームページとブログにランキング投票用のリンクを貼っていたためだとは思いますが・・・(ニコラスさんから、注意メールが来て、今はどちらもただのリンクに直しています。ニコラスさん、ゴメンなさい。)
ちなみに、マガルドさんの方は、このままでいいみたいです。
まあ、それにしても、これだけ多くの人に投票してもらえるとは、正直思ってませんでした。(1票あれば、いいんじゃないのって思ってたくらいですし、でも、0票だったら、さすがに恥ずかしいから、そうなったら自分で投票するしかないかなって思ってたくらいですから・・・)
投票してくださった皆さん、本当にありがとうございます。
できれば、これからも投票してくださいね。(←何か、厚かましいですね。)

さて、話題は変わりますが・・・・


WBC、日本優勝おめでとう!!!


今日は、キューバ戦をずっと見てました。
正直言うと、5勝3敗で優勝ってのはどうかって気はするのですが、そんなことを言ったら、パリーグのソフトバンクだってどうなのってことになりますからね。(ペナントレースでは、いつもブッちぎりで1位だけど、プレーオフでいつも負けて優勝を逃してるんですよ。)
私は、昔福岡に住んでいたことがあるので、ホークスに頑張ってほしいと毎年応援しているのですが・・・
って、話が脱線してる。
キューバも自慢の打線で反撃してきましたが、全体的に日本の方が一枚上手って感じでした。
しかし、この決勝の組み合わせを予想できた人は、どれくらいいたでしょうか?
優勝候補は、どこも調子が悪かったみたいですね。
アメリカが、まさかメキシコに負けるとは思いませんでしたから。
というか、アメリカは、あの日本戦での疑惑の判定以降、すっかり元気がなくなってしまったような、そんな気がします。
韓国は、あと2試合、徴兵免除を待つべきでしたね。
まあ、何はともあれ、日本おめでとう。王JAPANおめでとう。
そして、王監督、WBCのこの勢いで、今年こそは、パリーグのプレーオフを、制覇してください。
posted by VesterProject at 19:44| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月20日

ヴェスター総集編〜ガルック編(3)

(俺、何で、こんな嫌なこと言ったんだろう。
 もしかしたら、これで、ニーナに嫌われたかも・・・
 うっ、考えない・・・考えない・・・
 この後、ゾルドとかいう人の修行を受けて、ラルフも、ようやく力を得ることができた。それも、とてつもなく強力な力を・・・
 しかし、ヴェクト・ソードは、超人類でも、ヴェルガントしか使えない、超難易度の高い武器のはずだが、それをラルフが使えるようになるとはな・・・。
 一体何者なんだ、ラルフは?
 まあ、いっか・・・。
 ラルフが出てきた後で、俺達は、リグアーさんから、キルアからエネルギー補給船が、やって来ることを聞いて、修練の谷を出た後、エネルギー補給基地に向かうことになった。
 途中いろんなことあったけど、あれは、結構楽しかったな。)

「ねえ、このサーベルタイガーって、食べられないかな?」
 ラルフと同じ事を、ニーナが言うと、ガルックは思わず吹き出す。
 一方、デスやんは、倒したばかりのガーゴイルを、ほお張っていた。
「まあ、アイツはドラゴン・ゾンビだからな・・・」
 うまそうに食べているデスやんを見て、3人の口から溜息が漏れる。
「ねえ、思い切って、食べてみようよ。果物だけだと、そのうちまいっちゃうよ。」
 ニーナはそう言うと、サーベルタイガーを指さした。
 ニーナの言う通り、3人はここ数日、果物しか口にしていなかった。
 このままでは、ダークパレスにたどり着く前に、餓死しかねない。
「よ、よし、思い切って食べてみるか。」
 ガルックは、足元に倒れているサーベルタイガーの骸を、苦々しい表情で見ながらそう言うと、ラルフも仕方がないといった表情で頷く。

 そして、しばらくして、サーベルタイガーの丸焼きが完成した。
「絵に描いたような丸焼きだな。」
 完成品を見て、思わずガルックがつぶやく。
「毒も検出されなかったし、俺が最初に毒見してみるよ。」
 ラルフはそう言うと、焼けたサーベルタイガーの肉の一部を切り取り、一気に口の中に入れた。

「ラルフ、大丈夫?」
 ニーナが、心配そうにラルフの顔をのぞき込む。と、その時・・・
「うまーーーーーーい!!!!」
 そのラルフの反応を見て、ガルックとニーナも、サーベルタイガーの肉の一部を、ナイフで切り取ると、一口味見してみた。
「おいしい!!」
「こ、これは・・・めちゃくちゃ、うまいじゃないか。」
 もうこうなると、3人の食べる勢いは止まらない。
 久しぶりに、肉をたらふく食べた3人は、満足な表情を浮かべていた。

(いやあ、あれは実に美味かった。できれば、もう一度食べたいものだ。
 しかし、楽しかったことといえばこれくらいで、あとは辛いことばかりだったな。
 そんな中、ある日、突然、ニーナがモンスターを殺さないって言い出したんだ。)

「私、昨日、デスやんの話を聞くまで、考えもしなかった。
 モンスター達だって、私達と同じ生物だってことを・・・
 冷静に考えたら、当たり前のことなのにね。
 でも、私は、そんなこと当たり前のことに、全く気がつかなかった。
 新しく覚えた魔法を使ってみたくて、モンスターに試したこともあった。
 皆と助け合うために、修練の谷で魔法を身につけたはずなのにね。
 それに、デスやんを見てたら、モンスター達も本当は人間に生まれるはずだったのかも知れないって思えてきて・・・
 そんなことを考えたら、私は、自分のしてきた事が恐ろしくなったの。
 だから、私、決めたんだ。もうこれ以上、モンスターを殺さないって・・・
 でも、今日みたいに、モンスターが襲ってきた時は、私は一体どうしたらいいのか、わからなくなって・・・」
 ニーナはそう言うと、下を俯いてしまう。

(これを聞いて、俺は思わず「ニーナは考えが甘い」って、ニーナに言ったっけ。
 でも、あれから冷静に考えてみたら、そもそもニーナを戦闘に参加させていた俺達が、間違っていたんだ。
 俺なんか、ニーナが、昔から動物を可愛がる、とても優しい子だってことを、ずっと知ってたはずのに・・・
 俺もラルフも、ニーナの強力な魔法に、頼るようになっていたのかも知れない。
 ニーナが、今までどんな気持ちで戦っていたかなんて、これっぽっちも考えずに・・・
 幼馴染失格だな。ニーナ、ゴメン。
 でも、ニーナは、別の解決策を持ち出してきた。)

 そんな中、またしても、ラルフ達に、数匹のモンスターが襲ってきた。
 ラルフがヴェクトソードを抜き、ガルックも剣を抜いたその時、

「パラボルト!!!」

 後方からニーナが、魔法パラボルトを唱えると、上空から、白い稲妻がモンスター達に直撃すると、モンスター達は、しびれて動けなくなった。
「ニーナ、今の魔法は?」
 今まで見たことのない魔法を見て、ラルフがニーナに尋ねる。
「パラボルト。パラライズ(麻痺)の効果がついた電撃攻撃だよ。
 あのモンスター達はこれで当分動けないよ。今のうちに先に進もう。」
「あ、ああ・・・」

(これ以降、ニーナは、敵にパラボルトしか使わなくなった。
 この後、ニーナは、ダークパレスで、ダークソリアに捕らえられている魂を解放する。
 聖なる方陣の力とは言え、俺やラルフだったら、決して全ての魂が、解放されることはなかっただろう。
 あれは、ニーナだからこそできたんだって、今ならそう思える。
 ニーナのおかげで、闇のモンスターはいなくなったが、ダークパレス上空には、まだワイバーンの大群がいて、一斉に襲いかかってきた。
 しかし、そのワイバーンの前に立ちはだかったのは、何とニーナ1人だけだった。)

「オイ、何やってんだ、ラルフ。ニーナ一人だけに、戦わせるつもりか?」
「ホンマや、ニーナはん、危ないで。」
 ガルックとデスやんが慌てて加勢しようとするが、ラルフが止める。
「大丈夫、ニーナなら、必ず勝てるよ。」
 ラルフは二人にそう言うと、ニーナのいる方向を黙って見つめた。
 ニーナに、ワイバーンの群れが襲いかかる。

「バイクレー!!」
 ニーナは自分の素早さを上げると、ワイバーンの大群の攻撃を次々とかわすと、覚えたてのあの魔法を唱えた。
「パラボルト!!!」

 ニーナがパラボルトを唱えると、上空から白い稲妻がワイバーンの群れ目がけて落ちると、なんと全匹に命中する。
 ワイバーン達は地面に落ちると、体がしびれて動けなくなっていた。

(俺もデスやんも、ニーナ1人じゃ危ないと思ったが、ラルフは違った。
 ラルフは、ニーナが勝つことを信じていた。
 そして、ニーナもラルフの期待に応え、ワイバーンを1人で倒した。
 何だか、ニーナが、どんどん自分から離れていくような気がして、実はこの時、不安で仕方がなかった。
 俺にとって幸いだったのは、この時は、そんなことを考えている暇が、ほとんどなかったということだ。
 今は時間があるが・・・とりあえず、考えないでおこう。
 俺達は、ダークソリアを倒すべく、ダークパレスへと入っていった。
 最初にダークソリアを見た時から、嫌な予感はしていたが、俺達は手も足も出ずに完敗した。
 今考えると、生きているのが不思議なくらいだ。
 でも、それはデスやんが、体を張って、俺達を守ってくれたからだった。
 デスやんは、ボロボロになりながらも、俺達を背中に乗せて、エネルギー補給基地に連れてってくれた。
 デスやんが囮になって、暴れてくれているうちに、俺達は何とか宇宙船に忍び込むことができた。
だが・・・)

 デスやんは、3人の方を向くと、ニッコリと笑顔を浮かべた。
(ありがとう、デスやん・・・)
 ニーナの目から、またこらえきれずに涙がこぼれる。

 その時・・・
 黒いエネルギー砲が、デスやんの体を貫くと、デスやんは倒れる。
 黒いエネルギー砲は補給船上空をそのまま突き抜けていく。
 そして、そのエネルギー砲の発射元には、ダークソリアがいた。

(そう、ダークソリアが、現れた。
 しかも、デスやんがやられたのを見て、思わず声をあげてしまった俺達は、超人類に見つかり、そこからは三つ巴の戦いになるかと思われた。
 だが、ダークソリアには、超人類も歯がたたず、もうダメかと思ったその時・・・)

 ダークソリアは、扉を閉めようとしたアルデックを軽く弾き飛ばすと、補給船に乗り込もうとする。
 だが、その時、ダークソリアの体を、背後から引っ張る手があった。
「あ、あんさんは、ワイと一緒に地球に残ってもらうで。」
 ダークソリアの後方にいたのは、デスやんだった。
 デスやんは、瀕死の状態にありながらも、ダークソリアの体を引っ張ると、宇宙船から引き剥がした。
「今のうちに、早く発進して。お願い。」
 ニーナがアルデックに今のうちに発進するよう話す。
 超人類達は黙ってニーナに従うと、扉を堅く閉め、緊急発進した。

(これから先のことは・・・思い出したくない。
 でも、デスやん、お前のことは、俺は絶対に忘れないからな・・・
 お前のおかげで、俺はこうしてキルアに戻ってくることができたんだから・・・
 親父・・・おふくろ・・・俺は多くの人達に支えて、キルアに帰って来ることができた。
 俺のことなら、心配いらない。
 今や、心強い味方が、2人もいるし・・・)

 その時、宇宙港の方から、爆発音が聞こえてくる。

(この魔力は・・・ダークソリアのものだ。
 どうやって、キルアまで、やってきたんだ?
 いや、それよりも、奴を止めないと・・・
 親父、おふくろ、俺はキルアを守るために、戦ってくる。
 大丈夫・・・今度こそ、俺達は、ダークソリアに勝ってみせる。
 あの時と違って、俺にはディルクレーがあるし、それに、強い味方もいるしね・・・
 おっと、どうやら、その心強い2人の味方も来てくれたようだ。
 俺のことを、気にかけてくれているみたいだけど、もう大丈夫。
 じゃあ・・・行って来る。)
 ガルックは、もう一度だけ、両親の墓をじっと見つめた後、傍に置いていたディルクレーを持って、墓地に来ていたラルフとニーナに声をかけた。

ヴェスター総集編〜ガルック編(完)


あとがき
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2006年03月19日

ヴェスター総集編〜ガルック編(2)

(リグアーさんって、一体何者なんだろう? 強いし、一目で魔法の素質があるかどうか見抜くし・・・
 まあ、リグアーさんが言うんだから仕方がないと思い、俺もリグアーさんの意見に一応同意した。
 でも、この時は、2人にそんな素質があるなんて、正直半信半疑だった。
 そんな時、モンスターが、しかも、今までにない規模の大群で、村に襲いかかってきた。
 俺とリグアーさんは、必死で応戦したが、モンスターは、空から村の中に入り込んできた。
 そして、ニーナがいたリグアーさんの家にも、モンスターが入って行くのを見た俺は、慌ててリグアーさんの家に向かった。
 だが、そこで見たものは・・・)

「ニーナ!!」
「ガルック!!」
 その声のする方を見て、ガルックは絶句する。
 ニーナはラルフをかばうように、オークの前に立ちはだかっていたのだ。
「ニーナ、逃げろ。」
 ガルックはニーナに逃げるよう言うが、ニーナが逃げる気配はない。
「ラルフが、ラルフが、このままじゃ死んじゃうよ。」
 ニーナが涙を浮かべて、ガルックに訴える。
 とにかくガルックは2階に向かおうとするが、1階にいるオークとリザードマンが、ガルックに襲いかかってくる。
「クソッ、ウザイぞ。テメエら。」
 普段のガルックの実力なら、オークなど敵ではなかったが、2階のニーナが気がかりでなかなか倒せない。

 とその時だった。

 バーン!!!

 2階にいたオークが、目の前に立ちはだかっていたニーナを、手で思い切りはじき飛ばした。
 ニーナは壁に強く体を打ち付けると、そのまま意識を失って倒れた。
「ニーナ!!!」
 ガルックはニーナの名前を思い切り叫ぶが、ニーナの返事はない。
 オークは、とどめとばかりにニーナに棍棒を振り下ろす。
「ニーナ!!!」
 ガルックの絶叫が響き渡る。

 ドカッ!!

 その時、オークの棍棒を手で止めた者がいた。
 それは、さっきまで意識を失っていたはずのラルフだった。
「ラ、ラルフ・・・」
 ガルックがラルフに声をかける。
 だが、今までのラルフとはどこか様子が違う。
 ラルフはオークの手をつかむと、そのまま思い切り後方へ投げ飛ばした。
 それを見て、ガルックは驚く。
「あのオークに素手で挑むとは・・・なんて奴だ。」
 もう一匹のオークが、ニーナに近づいてくるのを見たラルフは、そのオークに向かっていくと、素手でオークの顔面を殴り倒した。
 ラルフに殴られたオークは、たったの一撃で昏倒していた。
 さっき投げ飛ばされたオークと、1階から上がってきたリザードマンが、今度は同時にラルフに襲いかかる。
 ラルフはリザードマンの手を掴むと、すさまじい握力でリザードマンの手を握りつぶすと、その後、壁にめがけて、思い切り叩きつけた。
 叩きつけられたリザードマンは、そのまま動かなくなった。
 それを見たオークは怯えて逃げようとするが、ラルフは鋭い手刀を放つと、オークの体を一撃で貫いて倒した。
 ラルフは昏倒していたオークの頭を叩き割ると、今度は一階にいたオーク達の方を睨みつける。

 ラルフの恐るべき力を見たオークとリザードマンは、慌ててリグアーの家から逃げ出す。

(俺は、無意識で戦っていたラルフの凄まじい力を見て、正直言うと、あの時、鳥肌が立っていた。
 あのラルフの力こそ、リグアーさんの言う力だったんだ。
 俺はようやく2人を修練の谷に連れて行くことに納得できた。
 こうして、修練の谷に向かうことになった俺達だが、死の森でゾンビの大群に囲まれる。
 しかも、空からドラゴン・ゾンビが降りてきた時は、正直言ってヤバイと思った。)

「これは・・・ドラゴン・ゾンビだ。今まで戦った、どのモンスターよりも手ごわいぞ。」
 リグアーがそう言うと、ガルックも剣を構えた。
「ラルフ、下がっていろ。相手が強すぎる。」
「偉そうにと言いたい所だが、お前の言う通りだな。どうやら、俺は役に立ちそうにないな。」
 ラルフはそう言うと、せめてニーナのテントは死守しようと、ニーナの眠るテントの前で剣を構えた。
「よし、行くぞ、ガルック。」
「ええっ」
 リグアーとガルックの二人は、ドラゴン・ゾンビ目がけて剣を構える。

とその時・・・

「あんさんら、ちょっと待ちいや。
 せめてワイと戦う前に自己紹介ぐらいするんが、礼儀っちゅうもんちゃうんか?」

(この時は、本当に驚いた。
 しゃべるモンスターに出会ったのは、これが初めてだったから・・・
 これが、デスやんとの、最初の出会いだった。
 デスやんはダークソリアの手下で、ダークソリアの命令で、俺達を殺しに来た・・・はずなんだが、ニーナの姿を見た途端、態度を180度変えやがった。)

「決めた、ワイもみんなの仲間に入れてくれ。」
「えーーっ!!」
 デスやんの発言に驚く一同。

「お前はダークソリアの手下じゃなかったのかよ。」
 ラルフがデスやんに尋ねると、
「ダークソリアはんには悪いけど、ワイは、今からニーナはんの命令に従うことに決めたんや。」

(この時は、調子のいい奴だと思った。
 でも、デスやんのドラゴンブレスは強力で、味方にいる分には頼もしい存在だった。
 デスやんも味方につけて、これで死の森は、余裕で突破できると思ったけど、ここでラルフが、ゾンビに噛まれてしまうんだ。
 この時の、ニーナの動揺する姿を見て、俺は少し不安になった。)

 歩きながら、ガルックがニーナに短剣を渡した。
「ガルック、何、これ?」
「接近戦などで使うと便利な短剣だ。
 俺は、あまり使わないから、ニーナにこれを預けておく。」
「ガルック!?」
「もし、アイツが、ラルフが・・・ゾンビになってしまった時は・・・ニーナ、君がとどめを刺してあげるんだ。」
「ヤダ。私は・・・私は・・・ラルフが頑張るって言ったのを・・・信じるから・・・」
 ニーナの目から、また涙がこぼれる。
「わかってるよ、ニーナ。だから万一の場合の話だよ。
 その場合は、君がラルフを止めてあげるんだ。
 きっとアイツも・・・ラルフも、そう望んでいるはずだ。」
「・・・ウン・・・わかった。
 でも、これはあくまでも万一の場合の話だからね。」
 ニーナは、ガルックから短剣を受け取ると、腰に備え付けた。

(結局、修練の谷にたどり着く前に、ラルフは動けなくなってしまった。
 もう、ゾンビになるのも時間の問題だった。
 でも、その時、ニーナの不思議な力が、ラルフを元の健康体に治した。
 リグアーさんが聖光気と呼んでいた、あの力は一体・・・?
 まあ、こうして無事に修練の谷にたどり着いた俺達は、早速ラルフとニーナに、魔法チャネルをセットすることになったが・・・
 ラルフが、魔法取得できないことを、知っていたリグアーさんを、責めるニーナを見て、俺はますます不安になった。
 もしかしたら、ニーナは、ラルフのことを・・・
 そう思った俺は、気がついたら、自分でも嫌なことを口走ってたな。)

「俺も、いくつかの魔法を覚えた。
 前はダメだったけど、今日来たら、使えるようになっていた魔法もあった。
 どうやら、本人の魔力や魔法の経験に応じて、そのうち複雑な魔法も、使いこなせるようになるみたいだ。」
「そうなの、ガルック?」
「ああ、あの魔法の本は、リグアーさんが、俺達にくれるそうだ。
 ニーナだったら、すぐに中級魔法も、上級魔法だって覚えられるだろう。」
「そんな・・・私、まだ覚えたばかりだよ。」
「いや、俺は、ニーナなら、大魔導士になれると確信してるよ。
 もちろん、俺だって、さらに魔法を覚えて強くなる。
 それに、キルアに帰ったら、覇王流の奥義だって使えるようになる。
 ところで、ラルフ、お前はどうするつもりだ?」
 ガルックはそう言うと、ラルフの方を見つめた。

「お、俺は・・・」
「まあ、お前にあるのは、人並みはずれたバカ力だけだからな。」
 ガルックの発言に、さすがにラルフは頭に来たが、自分にはそれ以外に、何もないこともわかっていた。
「ちょっと、ガルック、そんなこと言うなんてヒドイよ。」
「ニーナ、残念だけど、ラルフはバトルの才能がないんだ。
 バカ力だけで、生き残れる世界でないことは、ニーナもわかるだろう?」
「それは、そうかも知れないけど・・・でも・・・」
「リグアーさんは村を守るために、村からは離れられない。
 俺達が、コロニーに帰りたければ、俺達だけで、行動を起こすしかない。
 その時に、銅の剣を力一杯ぶん回すだけしかできない奴がいると、俺達まで危険に巻き込まれかねないんだ。」
posted by VesterProject at 17:31| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 総集編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月18日

ヴェスター総集編〜ガルック編(1)

(親父・・・おふくろ・・・ゴメンよ。
 俺のせいで・・・こんなことに・・・
 2人の墓を見つけるまでは、ニーナから話を聞いても、正直、全く実感が沸かなかった。
 家に戻ったら、きっと、クソうるさいガンコ親父と、おふくろの小言が待ってるんだろうなあって・・・。
 でも、家に帰って、ただいまって言っても、家の中から誰の声もしなかった。
 そして、今、目の前に2人の墓があるのを見て、ようやく俺にも事実を受け入れることができたよ。)

「あの日、俺の家の近くに住んでるディルガさんの奥さんが、子供を出産したって聞いて、俺は、そのお祝いに病院に行ったんだ。
 まず赤ちゃんを、先に見て行こうと思った俺は、赤ちゃんのいる部屋に向かうと、そこで、看護婦が、奥にある隠し部屋のようなところに、赤ちゃんを連れて行くのを見たんだ。
 最初、わけわからなくて、ボーッと見てたんだけど、しばらくして俺の中に一つの考えが浮かんだ。
 これはもしかして、誘拐ではないのか?
 そう思った俺は、慌てて、看護婦の後を追いかけてったんだ。
 そして、俺は、そこで、とんでもないものをを見てしまった。」

「きっと、私達がガイガードで見たものと、同じものを見たんだね。」
「知ってるのか、ニーナ・・・」
「うん、だから、ここにいるんだけどね。」
 ニーナがそう言うと、ガルックも納得した様子で頷く。
「それで、それから、どうなったの?」
「ああ、気がついたら、カプセルの中にいた乳児を見た俺は、その看護婦に向かって、大声で怒鳴っていた。
 でも、その看護婦は何も答えないで、通信機で連絡すると、あっと言う間に、俺は警備ロボットに囲まれて捕まった。
 病院の秘密を暴いた俺は、超人類達の裁判で、反逆罪となり、死刑よりも重い地獄送りということで、地球に送られたんだ。
 でも、まさか、俺の両親が殺されていたなんてな・・・」

(これは、地球で初めて、ニーナから両親の話を聞かされた時だ。
 そう、俺は、病院で旧人類の秘密を見てしまい、反逆罪として、地球に送られた。
 地球に着いてからは、とにかく生きるのに必死だった。
 行けども行けども人間の姿はなく、代わりにモンスターにばかり追いかけられてた。
 モンスターから、何とか必死に逃げ続けた俺だったが、逃げた場所がドラゴンの巣だった時には、正直死を覚悟した。
 でも、そこで出会ったリグアーさんに俺は救出されて、村に連れてってもらったんだ。
 リグアーさんは、ドラゴンの卵でオムレツを作るために、巣に忍び込んでいたらしい。
 たいした人だよ。あの人は・・・
 最初見た時は、ただの爺さんかと思ってたけど、魔法は使えるは、剣術でも、俺が歯がたたないくらい強いわで、初めてリグアーさんの力を見た時には驚いた。
 リグアーさんは、俺に魔法が使える素質があると言うと、俺を修練の谷に連れてってくれた。
 よく考えたら、後からラルフとニーナと一緒に修練の谷に言ってるから、往復で4回も死の森に入ってるんだよな。
 修練の谷で魔法を覚え、さらに覇王流の剣術を、リグアーさんに鍛えなおしてもらって、強くなった俺は、地球に送られて来た人達を、モンスターに襲われる前に村に保護するため、よく村を出て戦いに行ったっけ。
 そんな、ある日のことだった。
 一機の戦闘機が、近くに着陸するのを見かけた俺は、いつものように、救出に向かった。
 戦闘機には、人間が2人乗っていたらしく、俺が見つけた時は、ゾンビとオークの大群に襲われていた。)

「ファイアーボール!!!」

 その声と共に、巨大な火の玉が飛んでくると、オークの群れに直撃した。
 炎に焼かれて、生き残ったオーク達は一斉に逃げ出す。

「ファイアーボール!!!」
 男がそう言うと、今度は3つの巨大なファイアーボールが現れた。
 男がその3つの火の玉を振り下ろすと、その火の玉はゾンビの群れに直撃した。

 二人を助けた男は、高台を駆け降りると、二人の方に近づいてくる。
「戦闘機が降下してくるのが見えたが、やっぱり、人間だったか。
 よかった、無事で・・・」
 男はそう言うと、二人に声をかける。
 その声を聞いて、ニーナはハッとなる。
 そして、その男の姿が見えた瞬間、ニーナが驚いた声を上げる。

「えっ・・・ま、まさか・・・・」
 ニーナは驚いた声を上げて、男の方を見る。
 その声を聞いて、男の方もハッとなる。
「まさか、ニーナ・・・ニーナなのか?」
 男は、ニーナの姿を確認すると、驚きの声を上げる。
 一人取り残された感のあるラルフが、ニーナに恐る恐る尋ねる。
「あ、あの・・・ニーナ、こちらの方は・・・」
「ガルック・・・生きていたんだね、ガルック。」
 ニーナはそう言うと、ガルックの元に駆け寄る。
 あまりの嬉しさからか、ニーナの目から涙がこぼれる。
「ニーナ。」
 ガルックはニーナの手を握り締めると、再会を喜んだ。

(まさか、こんなところで、ニーナと出会えるなんて、夢にも思わなかった。
 地球にいる間、両親に会いたいと思ってたが、ニーナにも会いたいと思ってた。
 だって、俺は、ニーナのことが、ずっと好きだったから・・・
 ニーナと出会った時、ニーナへの思いが爆発して、思わず、ニーナを抱きしめそうになった。
 だが、その時、俺はもう1人いることに気づいた。)

「ガルック、紹介するね。
 ガイガードで私のことをずっと守ってくれた、ラルフ=ガートナー君です。
 ラルフは私の大切な親友です。」
「あー、ガルック君とか言ったね。よろしく。」
「・・・あ、ああ・・・」

(最初見た時は、変な奴だと思った。
 でも、すぐにわかったよ。
 コイツも、ニーナのことが好きなんだなって・・・
 まあ、でも、正直言って、この時は、眼中になかったんだ。
 俺とニーナは、幼馴染だったし、何より俺には、ニーナを守る力があったからな。
 とりあえず、俺は2人を、リグアーさんの村へと連れてった。
 普通だったら、そこで住む場所と当面の食料を与えて、あと村の決まりなんかを話して、解散ってのがパターンなんだ。
 だから、リグアーさんが、2人を家に招待すると行った時は、少し驚いた。
 食事では、ラルフがサ●ヤ人のごとく、たらふく飯を食っていたのが印象的だったよ。
 その食事の後で、リグアーさんが、2人を修練の谷に連れて行くと言った時は、もっと驚いた。)

「ま、待ってください。
 修練の谷は、元々超人類が魔法を身につけるための場所でしょ?
 魔法を使うための魔法チャネルを身につけれるかどうかは、遺伝子で決まってるって言ってたじゃないですか。
 この2人を連れて行っても、魔法を使えるようになるかどうか、わからないですよ。」
「ガルック、お主、ワシを誰だと思ってる。
 魔法が身につけれるかどうか、その者の姿をよく見れば、ワシにはわかる。
 お前に魔法の素質がなければ、お前を修練の谷に連れて行くこともなかった。」
「そ、そうだったんですか・・・」
posted by VesterProject at 19:40| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 総集編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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