2005年10月13日

ヴェスター特別編〜エミリーとフライヤ(2)

しばらくして、二人はラルフの家に着く。
フライヤは、ラルフの家に来るのは、これが初めてだった。
「へえ、結構広い家じゃんか。お前の家。」
フライヤはラルフの家を見ながら、そう話す。
「そうか?」
「ああ、こんな大きな庭、普通の家にはないって。」
「まあ、俺の父さん、軍人だから・・・」
「そうか、そりゃ、これだけの家が優遇されてもおかしくないな。」
フライヤが話すと、ラルフは少し暗い表情を浮かべる。
「どうした、ラルフ?」
「父さんは、エウロパにある太陽系前線基地ってところで働いているんだ。
だから、家に帰ってくるのは、三ヶ月に一度だけなんだ。
俺は、広い家よりも、父さんには毎日家に帰って来てほしいよ。」
「父親が、毎日、家にいたらいたで、うっとおしいだけだぞ。」
「そうなのか?」
ラルフは不思議そうな顔でフライヤに尋ねる。
今まで、父親のことをそんな風に思ったことがなかったからだ。
「ま、まあ、家に入ろうぜ。そんなことより見せたいものがあるんだ。」
フライヤはラルフの背中を押すと、家に入った。

二人は家に上がると、ラルフの部屋に向かう。
二階には部屋が無駄にたくさんあったが、使われている部屋は二部屋だけだった。
「俺の部屋はここだよ。」
ラルフがフライヤを呼び止める。
「なあ、他の部屋は家族の部屋なのか?」
「父さんと母さんは一階に部屋があるんだ。
二階は俺とエミリーが使ってる。」
「エミリーって、よくお前が話している小憎たらしい妹のこと?」
「そう。」
ラルフはそう言うと、自分の部屋の扉を開いた。
「へえ、ここがラルフの部屋か。
何か、ベッドの下に隠してたりしないのかな?」
フライヤはそう言うと、ベッドの下を覗き込む。
「オイ、人の部屋を勝手に物色するなよ。
今、飲み物持ってくるから、ちょっとおとなしく待ってろ。」
「ラルフ、飲み物はいいから、これ見ようぜ。」
フライヤはそう言うとカバンの中から、1枚のチップを取り出した。
「何だ、そのチップは?」
ラルフが尋ねると、フライヤはニヤッと笑う。
「よくぞ聞いてくれた。
苦労したんだぜ。無修正映像を手に入れるのは・・・」
フライヤはそう言うと、部屋にあったスクリーンにチップをセットする。
「ちょっと、音量を大きくしてと・・・」
フライヤはリモコンで音量を大きくする。
しばらくして、スクリーンに映像と、大きな声が聞こえてくる。
スクリーンには女性が裸で悶えるシーンが映し出されていた。

『あっ・・・あんっ・・・ダメッ・・・』

チップに映し出された映像を見て、ラルフは真っ赤な顔になる。
「どうだ、凄いだろうって・・・何、ラルフ、お前、見たことないのかよ?」
ラルフの意外な反応に、フライヤは驚く。
「オイ、それよりも、音を小さくしろ。」
ラルフはフライヤからコントロールを取り上げると、音量を小さくした。
「何だよ、こういうのは音量をでかくして見るに限るんだぜ。」
「エミリーが帰ってきたらどうするんだよ?」
「まあ、その時はその時ということで・・・
で、どうする、見るの、見ないの?」
フライヤがラルフに尋ねると、
「・・・み、見るよ・・・」
ラルフは真っ赤な顔をして、そう答える。
「お前、面白い奴だな。
どうやら、本当にこういうの見たことないみたいだな。」
ラルフの反応が面白かったのか、フライヤは笑いながらそう言うと、ラルフは少しムカッとなる。
「見るけど、少しだけ待っててくれ。」
ラルフはそう言うと、階段を下りていく。
「ラルフ?もしかして、アイツには少し刺激が強すぎたかな?」
フライヤは降りていくラルフの姿を見てそう言うと、再びチップを再生させ、一人で鑑賞し始めた。
posted by VesterProject at 23:52| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月10日

ヴェスター特別編〜エミリーとフライヤ(1)

タイトル見ての通り、本当に特別編を書いてみました。(まだ途中ですが・・・)
ヴェスターは当分暗い話になりそうなので、こっちはできるだけ明るい話にしてみました。
まだ全部できないのですが、多分全5話ぐらいになると思います。
てなわけで、特別編スタート。


エミリーとフライヤ(1)


これは、ニーナ=ルクライエがガイガードに引越ししてくる約1年ほど前の話である。

オレンジ・ハイスクールの放課後・・・
授業が終わり、校舎から生徒が大勢出てくる。
ほとんどの者が部活に入っていたが、中には部活に入らないで、そのまま家に帰る者もいた。
また、思春期真っ盛りのこの年頃は、校舎のあちこちで、こんな光景が見られた。

「あ、あの・・・ちょっと、いいですか?」
家に帰ろうと荷物をまとめている男の子に、女の子が声をかける。
「ん、何?」
「え・・・えっと・・・その・・・」
女の子は真っ赤になりながら、なかなか言いたいことが言えずにいた。
そう、その女の子は、その男に告白しようとしていたのだ。
男の方は、その女の子の方を見て、不思議そうな顔を浮かべる。
「?」
「あ、あの・・・わ、私・・・」
女の子が勇気を持って、告白しようとしたその時・・・

「よお、ラルフ、待たせたな。ニックの奴が宿題教えてくれってうるさくて・・・」
そう言いながら、教室に入ってきたのは、フライヤ=メイソンであった。
フライヤの声を聞いて、女の子の前にいたその男はフライヤの方を向く。
そう、女の子の前に立っていたその男こそ、ラルフ=ガートナーであった。
「やっと、来たか、フライヤ。ずっと待ってたんだぞ。」
ラルフは、少し怒りながら、フライヤに話す。
「悪かったよ。それより、その目の前にいる女の子は?」
フライヤが女の子の方を見てそう言うと、女の子は慌てる。
「そうだ、何か俺に用事があるんだっけ?」
「えっ・・・あっ・・・いや・・・その・・・」
「何も用がなかったら、悪いけど、そこにいるフライヤと約束があるんで・・・」
「えっ・・・あの・・・ちょっと・・・」
「ん?」
「・・・いや・・・何でもないです・・・」
女の子は下を俯いてそう言うと、
「じゃあ、悪いけど・・・」
ラルフは女の子にそう言うと、フライヤと一緒に教室を出て行った。
後には、告白に失敗した女の子が一人だけ、教室の中で一人立ち尽くしていた。

「ラルフ、あの女の子と何話してたんだ。まさか、告白されたとか・・・」
フライヤが興味津々で、ラルフに尋ねるが、ラルフは笑いながら答える。
「ハハハ・・・まさか。
多分、俺に何か重たい荷物でも運んでほしかったんだろうけど、言い出し辛かっただけじゃないの。」
「じゃあ、手伝ってやらなくていいのかよ。」
「いや、でも結局、何も頼まれなかったし、いいんじゃないの。」
ラルフはそう言うと、そのままフライヤと一緒に校舎を出た。
「ちょっと、ラルフ君。」
校舎を出たラルフに、別の女の子が話しかけてくる。
「何?」
「実はちょっと、お願いがあるんだけど・・・」
「ウン、いいよ。」
ラルフはそう言うと、女の子と一緒に運動場の方に向かった。
フライヤはしばらくラルフが戻ってくるのを、そこで待っていた。

20分ぐらいして、ようやくラルフが戻ってくる。
「で、今日はどんなこと頼まれたんだ?」
フライヤが、少し呆れた顔で、ラルフに話しかける。
「運動場に、大きな石が出っ張ってて、それを取ってほしいって言われて、今までずっと穴を掘ってた。」
ラルフは笑顔でそう話すと、フライヤはため息をつく。
「お前と一緒に帰ろうとして、ストレートに校門までたどり着けたこと、今までに一度もないから、多分そんなことだろうと思ってたけど、ちょっとは考えたほうがいいんじゃないの?
ただの便利屋と思われてるぞ、お前。」
「まあ、いいじゃんか。
何か知らないけど、俺はすごい力を持ってんだから、それを有効に使わないと。」
「・・・まあ、お前がそう言うなら、俺はこれ以上何も言わないけど・・・
ただ、待つ方の身にもなってもらいたいものだ。」
フライヤはそう言うと、ため息を一つついた。

「ところで、俺に見せたいものって何?」
ラルフがフライヤに尋ねると、フライヤはニヤッと笑う。
「まあ、いいからいいから・・・
それより、早くラルフの家に行こうぜ。」
フライヤはそう言うと、ラルフの家のほうに走り出した。
「お、おい、待てよ、フライヤ。」
フライヤを追いかけて、ラルフも慌てて走り出す。


ちなみに
posted by VesterProject at 19:12| 大阪 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月16日

ヴェスター新展開近し

相変わらず話の進行が遅いヴェスターですが、やっと新展開にたどり着けそうです。
ここまで読んでくださった方には、本当に感謝してます。
少しだけネタばれすると、これから当分暗い話が続き、そして話の舞台も変わっていきます。
そこから話の展開はスピードアップする予定です。
(と言っても今までより少し早くなる程度だけど・・・)
まあ、前にも書いたんですけど、ここまでは、キャラクターの特徴をつかんで欲しかったってのがあり、多少長くなりましたが、大体主要キャラが出てきたので(主役のガルックはまだ出て来てないけど・・・)、ここからは少しペースを早くしていこうと努力するつもりです。
しかし、物語を書いてみて気づいたことなんですけど、キャラクターの特徴を描いていると、このキャラにはこんなことをさせてみたいとかってのが色々出てくるものですね。
主人公ラルフとニーナはもちろん、脇キャラのアンナ、バーバラ、ニック、プランタの話もそのうち書いてみたいですね。
あとは、ラルフの妹エミリーとストーカー疑惑のフライヤの話とか。(笑)
まあ、そのうちに番外編でも書いてみることにしますか。
posted by VesterProject at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月31日

ヴェスターについて

今日の配信分で、とりあえずヴェスター編は一区切りがつきます。
それにしても、なんて長い序章だろう。
自分の中では、ここまでの話は10話程度で済ませる予定だったんだけど、
キャラクターをいろいろ登場させてるうちに、もう25話まで来てしまった。
でも、結局のところ中身はそれほどないんだよね。これが。
この25話の内容をぎゅっと凝縮すると・・・

「西暦2212年、スペースコロニー・ガイガードにニーナ=ルクライエという女の子が引越ししてきた。
ガイガードのオレンジ・ハイスクールに通うことになった彼女は、初日の朝、遅刻しそうな主人公ラルフ=ガートナーとT字路でぶつかる。
でも、それをきっかけにラルフはニーナに一目ぼれし、また、かわいくて明るい性格の
ニーナはたちまちクラスの人気者になるが、そのため、超人類のガジャに狙われることになる。
だが、ラルフ達は力を合わせてガジャを撃退し、ラルフとニーナはこれをきっかけに、親友になりました。
一方、その頃地球から約1000光年離れた惑星ウィクスの空域に突然現れた超人類の超大型要塞ヴェスターは、ウィクス軍を攻撃し、あっという間に壊滅状態に追いやる。
超人類でも最強の戦士で、銀河系最強と噂されているヴェルガントは、必殺技ドラゴン・ブラスターで山を吹き飛ばし、ウィクス軍を無条件降伏させました。」

これだけの話に25話もかかるとは、正直想定してなかった。
大体ストーリーはもうできてるんですけど、序盤まだ終わってないし、もしかしたら、500話まで行くんじゃないかと思う今日この頃・・・。

ただ、いろんなキャラクターの特徴を、序盤のうちに、多少でもたくさん出しておきたいってのがあって、そのため、この序盤では結構各キャラクターの会話を多めに入れてます。
それが、話の中身が薄い原因でもあるのですけど・・・。
ちなみに、私が序盤と呼んでいる話ですが、もう少しだけ続きます。
そして、その間は3人目の主人公ガルック=ソートの登場はありません。
(ガルック、哀れだ・・・)
ヴェスターを読んでくださってる方は、このゆっくりな展開にどこまでついて来てくれるだろうか?
読者数が増えたり減ったりするたびに、そんなことを考える最近です。
posted by VesterProject at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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